8月28日、東北大学未来科学技術共同研究センター小濱教授の研究室を訪問し、マグネシウム発電の実証機を拝見しました。教授が開発したマグネシウム合金を水と反応させることによって生まれた電気で、目の前でテレビやLED電球が動いているのを見ることができました。
原料のマグネシウムは、豆腐を固めるために使う”にがり”など食品や医薬品に使われるくらい安全性が高く、地球上に沢山存在しています。
燃えやすいことが難点でしたが、これは他の物質と合金化することで解決しています。
また、このマグネシウム発電器は、高温で精錬することでリサイクルが可能であることを、すでに小濱教授が宮崎県日向にある研究施設で実証実験済みです。
今後は、砂漠太陽熱やバイオマス炉で精錬することによってコストを低減させることが考えられていますが、火力発電や原子力発電にも匹敵するコスト競争力をもつ可能性を秘めています。さらに、化石燃料を使わないので、CO2発生も大幅に抑えることができます。
現時点では中国製のマグネシウムを使って実験が行われていますが、ガソリンを使う一般的な自家発電器と比較しても、すでにkwhあたりコストは遜色ないそうです。
海外では類を見ない、日本発の独創的な技術です。
一刻も早い、製品化、マグネシウム精錬工程の太陽エネルギー利用サイクルの実用化が待たれますが、それを加速するために、こういった技術開発こそ、国家プロジェクトとして後押しすべきだと思います。